IELTSリーディングテストの問題形式・攻略法・スコア換算【海外留学を目指す方へ】

IELTSリーディング 問題形式・攻略法 スコア換算について 海外留学
スポンサーリンク

1.はじめに

 ごきげんよう!椎名まつり(@417matsuri)です。今回はIELTS対策としてリーディング問題の形式と攻略法を紹介していきます。また、IELTSの特徴であるスコアとの換算基準についても紹介していきます!

 海外留学のために使うことのできる英語の検定試験としてはTOEFLが有名ですが、イギリスのブリティッシュ・カウンシルが主催するIELTSはTOEFLより日本人が得点を取りやすい試験になっています。その中でもリーディング問題は簡単にスコアアップを狙うことができるため、Overallの高スコアを目指す必要がある皆さんは是非高得点を狙っていきましょう。

 私自身は海外経験がほとんどなく、スピーキングが苦手な典型的日本人学習者ですが、リーディング問題には自信があり、前回(2020年10月)の受験ではリーディングセクションで8.5のスコアを取得しています。この記事を通じて、皆さんには英語圏の大学・大学院への入学に必要となる7.0以上のスコアを取得することを目指した解説をしていきます。

スポンサーリンク

2.IELTSリーディング問題の形式

 IELTSのリーディング問題は試験時間が60分、全てがパッセージ1から3と呼ばれる3つの長文についての読解問題となっています。パッセージ1・2は13問、パッセージ3は14問からなり、パッセージ1から3の順に難しくなっていきます。それぞれのパッセージは750~900ワード程度で、極端な超長文が出題されることはありません。

 気をつけたいポイントは60分という短い時間で40問を解かなくてはならないという点で、高得点を取るためにはスピードと正確性を両立させることが求められます

 問題の内容は基本的にアカデミックなもので、専門的なテーマが出題されることも多いですが、問題を解く上でテーマに関する専門的な知識が要求されることはありません。そのため、基本的なアカデミック・ボキャブラリーが身についていれば8.0以上のハイスコアを取ることも十分可能なので安心してください。

 そして、設問そのものの形式は以下の7種類に大きく分割することができます。

択一・択多選択問題設問に対する答えとして正しい選択肢をを1つ、あるいは複数選択する問題
正誤問題文章の内容が正しい(TRUE)か、間違っている(FALSE)か、文中で述べられていない(NOT GIVEN)かを選択する問題
段落要旨問題各段落の見出し(Heading)を選択肢の中から選ぶ問題
情報源問題与えられた情報がどの段落にあるか、誰が発信したかなどを答える問題
文章完成問題文章の前半が与えられ、後半に当てはまる語句・節を答える問題
空所補充問題与えられた文や図表などの空所に当てはまる語句を選択する、あるいは本文中から抜き出して埋める問題
英問英答問題疑問文が与えられ、それに対して短い語句で答える問題
IELTSリーディング設問形式の一覧

 ①の択一・択多問題は英語長文の客観式問題では一般的なものであり、IELTS特有の対策法があるわけではありません。また、IELTSの試験でも毎回必ず出題される形式でもあります。複数の解答を選択する択多問題については出題率がやや低めです。

 また、⑤の文章完成問題は文の前半部分と後半部分がそれぞれ複数与えられ、その組み合わせを選ぶ問題です。本文をよく読み、文章を完成させる必要がある独特の形式ではありますが、出題率はあまり高くありません。

 そして、⑦の英問英答問題は短い英語の疑問文に対する解答を1語~3語という短い語句で答える形式で、これも非常にシンプルな形式になっています。そのため、特別な攻略法があるものではありません。この後も述べますが、語数指定や数値での解答が可能かどうかには注意して解くようにしましょう。

 以下の攻略法の部分では、全般に対する攻略と同時に、特に攻略の難しい②正誤問題、③段落要旨問題、④情報源問題、⑥空所補充問題について取り扱っていきます。

スポンサーリンク

3.IELTSリーディング問題の攻略法

 ここまで、IELTSリーディング問題の問題形式を理解したところで、ここからは高得点を狙うための攻略法を紹介していきます。

 最初のポイントは繰り返しになりますが、タイムマネジメントの重要性です

60分で3つの長文40問の設問を解かなければいけないため、慣れるまではパッセージ1を17~18分パッセージ2を19~20分パッセージ3を22分で解きましょう!

・急いで問題を解く必要があり、勘違いやケアレスミスが出ることが多いので、7.5以上のハイスコアを狙う場合は、時間を5~10分程度余らせて解き問題の易しいパッセージ1・2を見直す時間を取りましょう!

 私がリーディングのバンドスコア8.5を取得した際は、15分程度時間を余らせて解き、パッセージ1から再度見直したところ、ちょっとした読み間違いや設問の指示を正しく見ていなかったことによるミスが4つほど見つかりました……。そのため、ハイスコアを狙うためには見直しも必須かと思います。

 また、全体に関係する内容としてもう一つ、設問から読み始めることをオススメします

本文より前に設問を読み、問題を解きながら読むことのできる形式については読みながら考えていきましょう

・③段落要旨問題、④情報源問題が出題されている場合は、段落のメインアイディアや人物の発言などに注目して文章を読んでいきましょう

 これはあらゆるリーディング問題に言えることですが、設問を先読みすることで注目するべき語句やポイントを抑えつつ文章を読むことができるようになります。特に、IELTSリーディング問題では設問の形式によって注目するべきポイントが変わってくる点にも注意しましょう。

 以下では②正誤問題、③段落要旨問題、④情報源問題、⑥空所補充問題の具体的な攻略法を見ていきましょう。

1.正誤問題の攻略法

 この問題は与えられた文章について、正誤及び「本文に書かれていない・本文からは判断出来ない」という意味のNOT GIVENの3択から答えを選ぶタイプの問題になります。日本の高校入試、大学入試の問題では一部の上位私立大学の問題を除き、正誤の2択問題であることが多く、慣れない方が多い形式になります。

 一般的な正誤のみの2択ではFALSEとNOT GIVENはどちらも誤りとして考えればよいのですが、この3択では「本文に書いてあることと矛盾するFALSEと「本文に書いていない・判断が付かないNOT GIVENを切り分ける必要があります。この区別のために以下のポイントを良く理解しましょう。

FALSEの場合は「本文に間違っている根拠が見つけられる」一方で、NOT GIVENの場合は「本文からは答えの根拠が発見出来ない」という違いに注意しましょう!

FALSEを導くことの多い断定フレーズ(every, all, noなど)が含まれていてもTRUENOT GIVENになることがある点に注意しましょう!

「一般常識」でTRUEFALSEだと判断せず、本文に書かれているかを確認し、書かれていない場合はNOT GIVENを選びましょう!

 以上のポイントのうち、一番上のものが非常に大切で、正誤問題が出題された際は必ず「根拠が本文に見つかって正しい」ものがTRUE「根拠が本文に見つかって間違っている」ものがFALSE「根拠が本文に見つからない」ものがNOT GIVENという原則を徹底して貫くようにしましょう。

2.段落要旨問題の攻略法

 この問題は本文の各パラグラフにタイトル(Heading)を付ける問題で、パラグラフの要旨を理解することが求められる形式になります。この形式は過去にセンター試験で問われることがありましたが、最近の大学入試では問われることが少なく、センター試験のものに比べると圧倒的に難しいため、慣れる必要があります。

 段落は7つから9つあり、全ての段落の要旨を選ぶ必要があるほか、選択肢の数が段落の数よりも多いため、ダミーの選択肢がいくつか含まれる点も厄介なポイントになります。問題を解く際には以下のポイントに注目しましょう。

・必ずパラグラフ全体を読み、トピックセンテンス・コンクルーティングセンテンスに注意しながら段落の要旨を理解しましょう!

段落を読むごとにどの選択肢が答えになるのかを考え、確実でない場合も候補をいくつか決めましょう!

 特に最初の数段落については、パラグラフを一読しても、どの選択肢が答えになるのか分かることは珍しいので、おおよそのパラグラフの内容から、解答の候補になりそうな選択肢をいくつかリストアップしていきましょう。このようにしておくと、読み進めていく中で別のパラグラフのタイトルであることが分かった選択肢を削っていくことで、序盤のパラグラフについても読み直すことなく答えを導くことができるようになります。

 一度全ての問題を解くまでの間、読み直しはできる限りせずに解くようにしましょう。途中で読み直すくらいなら、全ての問題を解いてから戻ってくることをオススメします。個人的には、見直し過程で一度目に解いた時には気づかなかったミスを発見しやすい形式なので、時間があればここを重点的に見直すようにしています。

3.情報源問題の攻略法

 この問題形式は短文がいくつか与えられ、それがどの段落に書かれていたのか、どの人の発言内容なのか、どの時代の出来事なのかなど、情報源を問うタイプの問題になっています。このタイプについては他の検定試験ではあまり見られない形式のため、対策が必要です。

 事前に設問を見てこの形式が出ている場合は、与えられた文の情報がどこに登場するのかを注意して本文を読み進める必要があります。特に、人物の発言を問うようなタイプの場合は、本文を読みながらその人物が登場したところで注意深く読むなどの対策が必要です。もう一つ、他の問題にも関係するポイントとしてNBについて紹介していきます。 

NB(注意)の表記がある場合はその内容に気をつけましょう!この形式については、NB You may use any letter more than once.と表記がある場合があり、このケースでは同じ内容が2度用いられる可能性が高いです!

 この形式は慣れが必要ではありますが、慣れればただの内容一致問題と変わらない形式になるため、問題集などを読んで是非練習しましょう。

4.空所補充問題の攻略法

 この問題形式は、本文の要約や図表などの空所に当てはまる語句を選択肢から選ぶか、本文から探して抜き出す形式なのですが、非常に難しい形式になっています。ただ、これは今年から始まった大学入学共通テストの第5問・第6問で問われる形式に似ている部分もあり、今後の大学生はこの形式が得意になるかもしれませんね……。

 さて、この問題のポイントを以下にまとめますが、難易度が高く、小手先のテクニックだけで得点を稼ぐことは難しいため、基本的には文章を多く演習する中でスキルアップを目指していく必要があります。

・選択肢が与えられた場合は品詞やコロケーションから入る単語を絞りましょう!また、本文の用法そのままではなく、パラフレーズが行われていることもあるため、全く同じ表現以外にも注意して読みましょう!

・選択肢がない場合は語数の指定や数字の使用可否など、問題により微妙に条件が異なるため、必ず初めに条件をチェックしましょう!

 以上で要注意の各問題の攻略法は以上ですが、IELTSは海外留学のための資格にも使える試験であり、TOEFLよりは点数を取りやすいとは書きましたが、難しい試験になっています。そのため、最後のポイントとして、「難しすぎる問題は飛ばす」ことも忘れないようにと付け加えておきます。

スポンサーリンク

4.IELTSリーディング問題のスコア換算基準

 では、40問あるIELTSリーディング問題のうち、何問に正解すればよいのでしょうか。以下に正答数とバンドスコアの対応表を示しますので、目標スコアと正答数を定めて学習に取り組むようにしましょう。なお、32問や26問正解の場合は2つのスコアが該当していますが、どちらのスコアになるのかは問題の難易度によって微妙に変動します。

正答数バンドスコア
39~409.0
37~388.5
35~368.0
32~347.5
30~327.0
26~296.5
23~266.0
18~225.5
15~185.0
IELTSリーディング問題の素点とスコアの換算表

 なお、Overallのバンドスコアで7.0以上を目指す場合は、リーディングでなるべく貯金をする必要があるため、リーディングについてはバンドスコア7.5や8.0を目標に努力していくことをおすすめします。それ以下のレベルについてもリーディングではややOverallの目標バンドスコアより上を狙っていくと良いでしょう。

スポンサーリンク

5.おわりに

 この記事を通して、IELTSリーディング問題の形式と攻略法、スコア換算の基準を理解してもらえたでしょうか。初めにも述べた通り、ハイスコアを狙う日本人にとってリーディング問題は対策をして高得点を取っていきたい部分になっています。この記事の内容を実際の問題を通じて実践してみてください。実践のための教材については、以下の記事で解説を行っています。ぜひご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました